Kobiki
粉引(こびき・こひき)は、16世紀に朝鮮半島から伝わったとされる陶器で、鉄分を含む褐色の素地に白化粧土と透明釉を施した技法を指し、茶碗の「名物」が生まれ、現代でもその柔らかな白い質感が喜ばれています。
白土が貴重であった時代に、白い陶器への憧れから赤土の表面に白い泥をコーティングしたという説があります。高級品の代替であったものに、独自の美を見出した日本人の感性は、現代においても引き継がれていると感じています。
生成りのような淡い白と黒く焦げた素地のコントラストが、食卓に自然の趣を感じさせます。
Irabo
伊羅保(いらぼ)茶碗は、高麗茶碗(朝鮮半島で作られた茶碗の総称)の一種で、多くは江戸時代初期に日本から注文された「注文茶碗」と考えられており、当時の日本人の美意識と、茶の湯における使いやすさを反映させた茶碗と考えられています。
この名前は、砂まじりの肌の手触りがいらいら(ざらざら)しているところに由来するとされています。粗土による野趣あふれる質感と、質素で侘びた風情を併せ持っています。
Sabi
鉄錆のような赤褐色、茶色をベースに金と黒を織り交ぜたような色調は変化に富み、艶を抑えた表情と相まって料理を引き立てます。錆の「さび」であり、日本の文化と美意識に重要な侘び寂びの「さび」、つつましさや簡素なものの優美さや、経年による美化をイメージしたうつわです。
Tsurubami
橡(つるばみ)とは、クヌギまたはその実「どんぐり」の古名であり、また、どんぐりやその梂(かさ、帽子とも称される部分)を煮た汁で染めた色のことも指します。
緑味のある灰色とまだらな白色が模様を描き、どんぐりの「かさ」をイメージした色調と柔らかな手触りです。
Mikage
御影石(みかげいし)は花崗岩を材料とする石材の名称です。花崗岩は、陶土が採取される場所の周辺に多く分布する岩石で、地中にあるマグマが噴出して冷やされたものですが、私たちが現在使用している粘土は、この花崗岩が風化し、流され、堆積したものです。
自然の岩石のような質感は、釉薬の厚さで一つひとつ違う表情をみせます。
Kurogane
鉄分を多く含む釉薬を炭化焼成(素地と釉薬に炭素を溶着させる焼成方法)することで醸し出される質感です。艶のない黒色は鋳物のように見えますが、手に取ると陶器の温もりと柔らかさを併せ持っています。